導電性カーボンブラック

導電性カーボンブラックは、樹脂や塗料に導電性を付与する材料です。古くから使われる最先端のナノ素材です。導電性カーボンブラックは、シリコンウエハーケース、自動車プラスチックボディーなどの樹脂複合材料やリチウム二次電池用導電助剤、燃料電池用触媒材料などの導電材として必要不可欠な存在です。


<こんなことでお困りではありませんか?>

1.導電性カーボンブラックの配合量をできるだけ少なくしたい

(質問1)

 電気を通さないプラスチックや塗料を導電性にしたいときには、導電性カーボンブラックを加えます。導電性カーボンブラックを沢山加えるとプラスチックの強度や塗料の密着性が悪くなってしまいます。強度や密着性が悪くならない程度の配合量でプラスチックや塗料を導電化する方法はないのでしょうか???

(質問2)

 スマートフォンの電池に使われるリチウムイオン電池は、電気を使ったり貯めたりするリチウム材料を有効に使うために導電性にする必要があります。導電性にするために、リチウム材料の配合量を減らして導電性カーボンブラックを加えます。スマートフォンを長時間使えるようこのリチウム材料を沢山入れたいので、導電性カーボンブラックをできるだけ少ない量にしたい。少ない配合量でもリチウムイオン電池を導電性にする方法は無いのでしょうか???

<回答>

→まず、導電性カーボンブラックの構造や導電機構など”基礎”を勉強する必要があります。勉強といっても、ポイントさえ理解すれば良いだけですのでそれほど難しいことではありません。ご参考までに導電性カーボンブラックの”入門編”として私が専門書に投稿した文献やお役立ち情報に掲載した資料を閲覧いただければ幸いです。

 その上で①カーボンブラックの種類の選定、②プラスチックや塗料に用いる樹脂の性質の利用、③成形・加工方法の工夫で解決できます。

 応用編として、導電性を半導電性(表面抵抗値:10の7乗~9乗Ω)にコントロールするテクニックもあります。


2.新しい炭素材料の特徴把握と用途展開

(質問)

 新しい炭素材料を作ったのですが、この素材はどのような特徴があって、どのような用途に展開すれば良いのでしょうか???

<回答>

→まず、基本的物性を測定する必要があります。物理化学的性質、電気的性質、形状など一般性状に加え、吸湿性や取り扱い性など実用面での評価も重要となります。

 その上で炭素材料がもつユニークな特性①表面物性、②導電性能、③バリア性、③吸着特性、④熱伝導性、を把握し用途展開を図ることができます。


ご不明な点やご要望事項などありましたら、「”お問合せ”ページ」から連絡ください。


前野聖二 技術士(化学部門) 導電性カーボンブラック

前野聖二技術士事務所を2025年1月1日より開設します。”技術士化学部門”を中心とした様々な技術課題の解決業務をおこなっています。専門は、導電性カーボンブラック、機能性炭素材料、樹脂・塗料複合化、高導電化・高分散化技術です。また、人材育成/衛生関連の知識や経験を応用し「技術部門におけるメンタル強化策」の提案など”人財”開発業務もおこなっています。微力ながら皆様のお力になれるよう努力します。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • MAENOSEISEI

    2019.05.12 17:32

    @MAENOSEISEI導電性カーボンブラックの基礎がわかる文献をリンクしました。
  • MAENOSEISEI

    2019.05.12 17:31

    導電性カーボンブラックのページを更新しました。